読者の皆様こんにちは。米国での医療を考える方の味方 花咲爺医
今回は費用の続編です。
前回はstep1の費用が20万円弱だということを述べました。実はstep2CKもほぼ同じ値段で試験自体も同じです。
この記事の目次
step2CS 概要
日本人最難関のUSMLE CSはお財布にも恐ろしい負担がかかります。
50万円くらいはなくなる覚悟が必要です。
今回はstep2CS(以下CS)にかかる諸経費について考察する前に、どのような試験か概要を説明しましょう。
・試験はアメリカのいくつかの州で1日かけて行われる。
・試験は12人の模擬患者と15分の医療面接+身体所見をし、各患者の診察の後に10分のカルテを書く時間が与えられ、模擬患者の評価とカルテx12をもって合格or不合格のみが決まる。
というものです。試験代自体は約15万円です。
これに渡航費がおそらくLCCや比較サイトを用いて現実的にかなり安い値段で飛行機を選ぶとしても15万円くらいはかかります。
さらに大抵の受験者は直前の予備校がアメリカで開催する模擬講習が10万~30万円ほどかかります。これに最低限の教科書1万円が重なり、よっぽど対策手薄で安くしたとしても、45万円ほどかかるということになります。
現在CS合格のハードルはどんどん高くなっている
ここで少し脱線しますが、2019年度1月現在CSの難易度は非ネイティブスピーカーにとってかなり厳しい状況になっております。これは
・公式が表明している部分でも外国人医師の合格率が1~10%程度低下するように採点基準をあげると名言しており
・体感でも非ネイティブの英語技能の採点項目(以下SEP)が原因での不合格が激増している
という現実を踏まえております。非常に厳しい現実ですが、かつては「大手予備校の直前講習を本番の数日前に受ければたいてい受かる」というふうに言われていた試験ですが、これでは受かる確率がかなり下がることになっています。
より合格率をあげるために必要な経費
CSの合格不合格は
・コミュニケーション力(CIS)
・英語会話能力(SEP)
・医学的技能・知識(ICE)
の3つの点数のが独自に評価されて、それらがすべて不合格ラインを割っていないことで評価されます。
10年ほど前は日本人はICEで落ちると言われていました。現在は確実にSEPで落ちる人がほとんどです。
ちなみにCISで落ちたという人を日本人で聞いたことは一人もいません。
それで、私が提案するのはネイティブスピーカーとのレッスンです。ここで重要のは医師や医療関係者ではない米国英語話者との定期的なレッスンです。
レッスンの形式は直接会うのがベターですが、スカイプでもOKだし現実的だと思います。
なぜならSEPという項目を採点しているのは医療的に素人の人たちだからです。
今は医学英語に力を入れている大学だと、小学校にいるALTの先生みたいなノリで、英語圏で医師をしていた方が英語を教えていたりします。
そのような方は一通り、CSの指導をするのには適していますが、最終的に合格レベルに達しているかを評価するのには不十分だと考えます。
この方たちの英語力・医学知識はおそらくまったく問題ないのですが、”医学を英語で教えること”にフォーカスしすぎる余り、試験を受ける人の英語の評価がなあなあになると考えられます。
で、英語ネイティブの方でかつCSの試験構造をある程度理解して協力してくれる人をオンラインサービスで探そうと思うと1時間で5000円から1万円くらいはするのではないでしょうか。
間をとって7500円だとして最低10回くらいはレッスンしないと練習の意味がないと思うのでそのあたりも必要経費として今後は考えていかないと思います。
米国滞在費
更には試験を1日だけ受けて帰るとしても空港に素泊まり(笑)するわけにも行かないので、宿泊費と飲食代、移動代がかかります。
試験会場はたいてい変なところにあり1泊2万円くらいと考えていいです。
さらに模試を受ける会場が親切に本番の近くであるわけではないので(私は模試→本番のためにNYからLAに飛行機で移動していました。)そこの移動費ですよね。
一番定番であるKから始まる大手予備校の4日間の模擬講習30万を受けてかつその間前後5日間普通のホテルに滞在するだけでも
宿泊10万
移動2万
食費・雑費(すごく節約して)3万
くらいにはなると思います。小計15万円ですね。
CSに確実に合格するための費用 まとめ
まとめると
試験代と飛行機代で30万円
直前の模試+レッスンで15万円
スカイプレッスン7.5万円
移動滞在食費15万円
total 67.5万円
です。
それからいい忘れていましたが紙のテキストは一冊のみで大丈夫です。
さらにシビアな計算
ちなみに短期の留学経験しかない、帰国子女ではない、ネイティブではない、米国での医療経験が1年未満の人 しかし英語がめちゃくちゃできる人
のネイティブのスカイプレッスンなしでの合格率は2-3割だと思います。
なので、ガッツリやったとしても合格率は少し低いかもしれません。
なので再受験する場合の費用を考えると
100万円
くらいかもしれませんね
最後のお会計
米国でも日本でも医療行為ができるためにECFMG certificateを取得(USMLEのstep1,2CK,2CSの全てに合格)までにかかる費用は
step1 20万
step2CK 20万
step2CS 68万
total 108万円
ということになります。
なんだか昔はやっていたトリビアの種を思い出しました。
ちなみにこれを取得したところでほとんどの診療科で大学での出世争い等にも何のプラスにもなりません!!!!
では。