今回はUSMLE step1をやりはじめの方や全く知らないけど米国で臨床をすることに興味がある人向けの記事です。ノウハウではなく精神論と概論なので詳しい方は読まなくて良いと思われます。
まずUSMLE step1の位置づけ
ここ最近2018年以降、twitterのprofileにUSMLEを載せる学生が増えたように感じます。新設の海外志向の医学の学生達でしょうか。想像は膨らみます。
step1勉強アカウントが増えた気がします。そのツイートをみると、割と合格スレスレの点数で受験しようという方もいらっしゃいます。
目的によって目指す点数が違うのはUSMLE界隈ではかなり当たり前のことなのですが、それがはっきりしていない方にアドバイスです。
「アメリカでずっと臨床をしたいなら絶対に点数が高いほうがいい」
でも一口に臨床をするといってもいきなりむこうで指導医として働けるでしょうか。
これはかなり確率が低い、というか、これを狙っていくのは無謀だと思います。その場合はまず、日本でその道の大家になる必要がありますね。おそらく。
順に説明していきます。
アメリカで医師として医療行為をするためにはUSMLE step1, step2 CK, step2 CS(順番はどれでもいいです)を指定の年数以内に合格してECFMGにcertifyされる必要がある。
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大きく分けて臨床留学は2パターン
①レジデントから始める
②フェローから始める
レジデントを終了すれば専門医がとれる、専門医があればアメリカにい続けられる
ものすごく端折っておりますが、イメージとしてはレジデントは日本でいう後期研修医のようなものだと思ってください。そして例えば日本で初期研修のみ終わって美容や自由診療をしている人がいますが、アメリカではそういうことはできないとイメージしてください。
内科なら内科、家庭医学なら家庭医医学、一般外科なら一般外科の研修(レジデント)を終えて専門医に受かった場合に、アメリカに残留できるビザの手続きにすすめると考えてください。
今回は深く触れませんが、フェローから行く場合は、移植外科・心臓外科などでかつ臨床力がかなり高い場合を除いて、残留はできない可能性が高いです。
step1の点数が良くないとレジデントに入れる可能性が少ない
これは本当に科によるんですが、どの科でもstep1の点数によって面接に呼ばれるレジデントプログラムの数がもろに変わってきます。
まずアメリカのマッチングシステムですが、日本の初期研修医のマッチングに似たものだと思ってください。
あのマッチング制度で病院の応募を出せば医学生はよっぽどのことでない限り筆記試験や面接によばれますよね?
アメリカの場合はそうではないんです(笑)
外国人の応募者も多数いるのでstep1の点数(日本で言うCBTをイメージしてください)で応募者の大半を足切りするプログラムがたくさんあります。
プログラムにもよりますが、10人の枠に1000を超える応募があるなんてことはザラです。
そして日本の場合は筆記試験+面接や面接のみを受けに病院に行くということが多いですが、アメリカではほとんど面接のみで決まります。
なのでUSMLE step1の点数が非常に重要なのです。
そして日本人がアメリカのレジデンシープログラムの面接によんでもらう(内定ではない!)ためにはおよそ100前後のプログラムに出すのが定石といわれています。(これも日本人応募者のstep1の点数や志望科・推薦状などにもよります)
そしてstep1は1度きりしか受けられません。
そこがTOEFLやTOEICと違うところです。
ただ日本人の強みとしては、いつ・どの順でうけてもいい、ということ、言い換えれば時間をかなりかけられるということと・マルチプルチョイスに強いということでしょうか。
step1を一度勉強された方ならわかると思いますが、想像を絶する勉強量と大変さです。
でもですね。受かることをできれば目的にしないでください。
もし少しでもアメリカのレジデンシーに・永住に興味があるなら。
ここでそろそろ本記事の結論です。
step1は点数が悪くなりそうで受けるか迷ったら伸ばしなさい。
「退くもまた勇気」です。
タイトルは瀧本 哲史 先生の本のオマージュです。