TOEFL iBTを医師/医学生が勉強すべきたった一つの理由 絶対にリターンする投資は英語

  • (この記事は医学部低学年の方、今後英語の勉強のモチベーションを探している医療関係者におすすめです。)

TOEFL iBTはいくつかある英語の能力を表す試験の中でも最も医学生におすすめしたい試験です。

おすすめしたい理由はたった一つだけ。

将来有用になる可能性が一番高い英語の資格試験からです。

TOEFLにはiBT以外にもいくつかの形の試験がありますが、iBTを是非受けてください。

iBTは他のPBTやCBTが派生だとするなら

  • 読解 reading
  • 聴解 listening
  • 会話 speaking
  • 筆記 writing

の4つのコンポーネントからできていて、今最も英語の総合力を測定できる客観的なテストの一つと言えます。

以下私が必須と思う理由を経験も踏まえていくつか書いていきます。

その1 医師としてのキャリアのプラスになる

皆が皆海外に行きたいわけではありません。

それは爺医も重々承知です。

ですが、初期研修医のマッチングや大学院の院試で楽をしたいと思いませんか?

今後医者になったあとの大学院の試験もTOEFLなどの共通試験に変わっていく

というのが爺医の予言です。

というか実際になってきています。

おそらく

  • 授業のオンライン化
  • Wetなラボの不人気化
  • 公衆衛生大学院の認知度の高まり

などから海外のブランド大学のMPHなどを取る医師が増えると予想されます。

その際にまず初めに大事なのがTOEFLなんですね。

もっと噛み砕いて言うと

医学生・若手医師の方で将来的に日本でPh.Dを取ることを考えている人は多いと思います。

また最近社会医学系の大学院やビッグデータを扱う研究をする大学院(MPHなど)も注目されています。

いずれにせよ英語が一番のbottleneckになる方が多いです。

現在TOEFLなどの共通試験で代用され始めています。

つまり大学院採用者側が、独自に英語の試験を作って評価するより、

外部のしかも世界共通の試験で評価したほうが、

よいと考えるようになってきているということです。

これは至極当然の事のような気がします。

大学入試みたいオリジナルの英語問題を作る余裕もないですよね?

問題を制作するコストもありますし、

よっぽどその施設独自の英語力を試したいなら、

別の試験を少しだけ加えればいいだけですから。

現在医学部ではないいわゆる私立文系などでは、

TOEICの試験の成績が単位に変わる

なんとことをちらほら聞きます。

ここまで極端ではないにせよ、かなり幅広い年代の医師がTOEFL勉強によって被るメリットが大きくなっていくと思われます。

気になった方に一番定番の入門書兼問題集を紹介します。

採用理由などについてはについてはこの記事をどうぞ。

その2 海外留学したいなら必須

海外、特にアメリカで臨床留学をしたいならほぼ必須となってきます。

医師になってから本格的に臨床留学に行く人はすくないですが、

学生のうちに行く人はけっこういるんじゃないでしょうか。

医学部の中には提携校としてアメリカの医学に交換留学で1−3ヶ月ほど、アメリカの病院で実習できる大学が多くあると思います。

これは大体医学部5年or 6年の時にelective clinical clerkshipとか呼ばれることもあります。

高学年のときに海外で実習できる期間に行くものですね。

毎年希望者の中で選考が行われます。

筆者の母校では、

  • 北米(アメリカ2,3)
  • ヨーロッパ(フランス)
  • アジア(タイ)
  • アフリカ(ケニア)

などで10校ほど提携校がありましたが、アメリカでの臨床留学を希望する

生徒は毎年在学者100人中4,5人だったような気がします。

これで競争率が低いと思う方がいるかもしれませんが、

実はこの枠内での競争は熾烈を極めます。

たいてい帰国子女やクラスで1,2番の成績を持つ人達が腕試しに名乗りを上げるからです。

筆者は

・CBT成績は学年で中の中

・大学の成績も中の中

・帰国子女ではない

・研究室に通っていたわけでもない

・特別なコネクションもない

というmiddle-classの医学生だったので、TOEFLの対策を早めにして優位に立つしかありませんでした。

そもそも交換留学とは?

交換留学というのはかなり意味が広いですが、一番ハードルが高いのが、海外の医学部の病院にいって現地の医学部生と同じように

・診療チームに参加

・ひとりで入院患者の回診

・救急外来で問診や診察する

・外来の手伝いをする

・カンファで治療プランを意見する

・入院時の雑用の手伝いをする

・外科に行くなら手洗いをして術野に入る

・カルテを書く(医学生用)

などが含まれてきます。

これに対して例えば患者さんに触れることができない、治療に関与できない、カルテをみる・書くことができないいわゆる見学にとどまるものはobservershipと呼ばれたりします。

見学なのか参加型実習なのかは応募の段階から明確にわかれていることが多く自分の医学部が提携している海外の大学が見学型しかない場合は自分で探すことをおすすめします。

これはこれで自分の熱意・指導医の理解次第ではやれることは増えてくるのですが、履歴書上も自分の学びとしてもやや劣りますし、その分要求されるTOEFLの点数も低いことが多いです。

私の場合は主にTOEFLを交換留学の為に勉強しましたが、実は海外のMBAやMPH(公衆衛生修士)に行く際にも必要になってきます。

現在、医師になってから海外の有名MBAやMPHに行かれて情報発信をされていらっしゃるからが結構いらっしゃいます。

例えば有名なHarvard大学のMPHでそれなりの候補者として考えてもらうには

TOEFL iBTでどれだけ低くても105以上、できれば最低110は欲しい。

と言われています。これはかなり厳しい基準ですが、皆さん予備校にいったり血のにじむような努力をされてクリアされていくようです。

また逆にいうとそれくらいの英語力がないと現地に行って得る情報や人脈の消化不良を起こす可能性が高いと考えられます。

これは医学生の交換留学にもまさに言えることで、例えば患者さんとの対話だけでなく、たくさんの講義やmorning lectureを受けたりするのですが、スピードはTOEFLのlisteningよりもさらに早いです。

ですのでTOEFLのlisteningは遅い遅いと思えるくらいで渡米するのが理想なのです。

受け入れ施設ごとに明確な基準がある

病院実習においてHarvard系列など有名な米国大学での実習は大まかに100/120点という基準を出しているところが多い印象です。

90点でも多めに見られるときもあるようです。

ちなみに100点を取るということはTOEICで満点をとっている人でもとれないこともあると思ってください。

英検1級受かっている人でも取れないかもしれません。

曖昧な言い方になってすいません。ただ評価されている項目が違うので、一概にどちらが難しいとは言いづらいので。

ただし評価される能力の範囲でいうと圧倒的にTOEFLの方が広いので、一点集中単語暗記型の人などは得点で苦労すると思います。

また、大学によっては

全体で90点以上、listening, speakingでそれぞれ24/30点以上

というような基準を出しているところもあります。

TOEFLは早く対策すればするほどよい

医師や医療従事者の方は

自分はテストが得意な方だ

と思っている方も多いと思います。

それは概ね間違ってないと思います。

ただし、この試験はなめないほうがいいですよね。

よっぽどのセンスがない限りはかなり苦戦します。

例えば大学院の応募の時にTOEFLの点数の足切りがあったとします。

仕事も忙しいし、TOEFLの勉強なんかする時間ないよ!!

となる医師が今後続出することをここに予言します。

いいニュースもあります。

TOEFLは極端にいえば何度でも受けれます。

毎週受けれます。

2万円払えば。

後一点足りない!

なんてことはよくあるのでそのような方はたくさん受けることもできますし、

長期的に対策する方は自分のペースメーカーに定期的にうけることができます。

特にリスニングやスピーキングの部分の根底的な改善には半年くらいはかかると思ってください。

ですので、医学部低学年のときに基礎研究の留学などで、いい体験をして、国家試験前にもう一度アメリカに行きたい!と感じた人は

ひとまずTOEFLを半年ごとに受けるようにして、英語力のメンテナンスを心がけましょう!!

ただし、いきなり2万も出すのはちょっと気が引けるという方はぜひ単語帳だけでも買ってよんでみてください。花咲爺医おすすめの単語帳の記事もあります。

TOEICは英検はどうなのさ?

英検やTOEICに恨みがあるわけではありませんが、これらはかなりローカルな試験です。

また文系の方や一般企業における英語能力としてはこれらの試験が存分に力を発揮するときがあるとは思われますが、そもそも英語のテストというのは日本の中の企業が知りたいということもあると思いますが、英語ネイティブの人が評価することが最終的になると思います。

そうなったときに英検1級がどの程度のものなのかネイティブはいちいち換算したりして考えないといけないですよね?

なので個人的には、英検のようなドメスティックな試験は徐々にその権威をさげてくるのではないかと個人的に予想しております。

またTOEFLとTOEICを点数換算するというのは色々な他の記事で議論されていますが、複数の記事を参照すると、およそTOEFLiBT 100点がTOEICの900点に相当するようです。

ただしTOEFLlabさんの記事にあるようにiBTにはアウトプットの部分がありますし、iBT受験者は当然その対策に多くの時間を割くわけで、TOEIC受験者(例えば一般企業の就職活動のために対策している文系の人)などはTOEICのビジネス単語やリスクニングに時間を割くわけで単純な比較はできないのだと思います。

一つだけ言えるのは

医学部低学年で将来の投資のために漠然と英語を勉強したいなと思っている人はTOEFLiBTを勉強してください!!

ということです。学校の授業やTOEICといった今わかる安直な、みんなやってそうなものに時間を消費するのは時間の無駄です。

極論で言ってしまうならこのブログですすめているUSMLE(アメリカの医師免許)だって今の段階では医学部の90%の人には役に立たないかもしれません。

これに対してTOEFLiBTはもっと対費用効果が高いと思います。

TOEFLその先にあるもの

TOEFL iBTについてこの記事を読んでくださっている医療関係者の方は「医療+英語」という要素の重要性や可能性を少なくとも感じられている方が多いと思います。

TOEFL iBTがそのうち初期研修病院のマッチングにつかわれる時代が来るかもしれません(少なくとも履歴書に書くことはできますし、現時点で純粋な英語力を問う試験を出す難関有名病院もたくさんあります)

最終的に英語があなたの医療者としてのQOLをあげることは保障できます。おそらく今後開業医をするとしても、フリーランスでバイトしかしない人でも否が応でも英語が必要となる機会が出てくると思います。

そこでもう一歩踏み出してほしいのですが、もし自分の医師としての知識を(ここは医師に限定します)英語でもいかんなく発揮したいのであれば、USMLE受験の検討をおすすめします。

今TOEFLの記事を読んでるんじゃないかよ!

って思われるかもしれません。

確かにTOEFLは何回も受験することができてアカデミックな分野で通用する英語の資格試験です。

ですが、本当に医療者としての自分の価値を高めたいのであればぜひUSMLEの受験も検討してみて下さい。このブログの第一記事目にもなりますが、USMLEとはそもそもなんなのか?という記事もありますので、参考に。

花咲爺医はTOEFLが必要なphaseは結構通りすぎてしまいましたが、今後も自分の英語力のブラッシュアップのために受験したり、情報を集めていくつもりですので、米国でくらす医師の現在がどんな感じか知りたい方はぜひ今後もtwitterなどで情報のフォローをしてみて下さい。

それでは!!

今日の格言

“There is no terror after the bang of the gun; only the anticipation in it.” 


—Alfred Hitchcock Referenced in “The Return” (Season 9, Episode 8)

爺医の意訳:銃声の後に恐怖はない、銃声の前の不安こそが真の恐怖だ。

というわけで色々トライしてみましょう!

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