はじめまして。
2019年あけましておめでとうございます。
花咲爺医と申します。
このブログではアメリカ医師国家試験=USMLEの対策や医学周辺の内容をメインに書いていこうと思います。
近い内に専門的な対策や勉強方法などについて記事を書いていくつもりですが初回なので、本記事ではsimpleな事柄を書いていこうと思います。
この記事の目次
自己紹介
まず自己紹介させていただきますと、現在医師として都内で日々働いております。自分がここ数年精力をそそいでやってきたこととして、アメリカ医師国家試験があって、そのノウハウや経験を多くの方と共有・発信できればと思い、このブログを立ち上げました。
USMLEのブログ自体はたくさんあるのですが、若いDr.や新しい情報というのがなく、自分も役にたてる部分があるのではないかと思い始めました。
今後このブログをよくするために、色々ご指導していただければと思います。
キーワードでわかるUSMLEとは
簡単に知りたい皆さんのためにキーワード形式で書いていきます。
・USMLEとはアメリカの医師国家試験です。
・アメリカの医学部を出ていなくても受けれます。
・日本の医学部の5年生くらいになると誰でも受けることができます。
・step1, step2 CK, step2 CS, step3の4つの試験があり全てに合格することが必要です。
・step2 CS以外は日本で受けることができます。
・日本の医学部の1−2%がUSMLE step1を受けますがすべてに合格する人は0.5%以下です。
・試験の点数が合格より重要な意味を持ちます(特にstep1)。
・コンピューターテストで1回13万円前後します。
・何度でも受験できますが不合格は記録に残り就職に影響します。
・アメリカの医学部の学生は受ける時期がだいたい決まっています。
・点数が低い、不合格歴があると行けない人気診療科があります。
・一つを受けると7年以内にstep3を除く残りのstepに合格しないと記録が消えます。
・step2 CSが日本人には一番むずかしいと言われています。
資格勉強の経歴
まずはこれまでのUSMLEをどのように勉強してきたのかを下記に示します。
* 3年の中盤にUSMLEの存在を知り教科書購入
* 4年生の頃から対策を始め
* 5年の実習時はひたすら勉強
* 6年の12月に step1 に合格
* 研修医1 step2 CSとCKの勉強を並行
* 研修医2 step2 CS合格
*後期研修医1 step2 CK合格, step3 合格, 米国麻酔科レジデンシーマッチ!!
*2020年7月米国内科レジデンシー予定
という流れです。本当は昔からこの手の発信に興味はあったのですが、試験自体がかなりtime-consumingなものなので、手が出せずにいました。一旦試験勉強が落ち着いたのでいろいろ整理しつつ発信できればなと思います。
米国での医療行為
また2018年に話題になった問題として、
「某医科大学の卒業生達が今後・入試問題のゴタゴタのせいでアメリカで医療行為をする権利が剥奪されるかもしれない」
ということが話題になりましたね。(少なくとも医者界隈では話題になっていたと思います笑)
そもそも日本人かつ日本の医師国家試験に合格している人は、それだけではアメリカでは医療行為はできません。その後USMLEという試験を一通り受け、合格する必要があります。
・step1
・step2 clinical knowledge (CK)
・step2 clinical skills (CS)
これの試験にすべて合格すると、ECFMGcertificateという証明が与えられこの状態になって、初めてアメリカで医療行為ができます。
ECFMGというのは 外国人の医療教育等をコントロールしている機関でそこからのお墨付きがでることのためにUSMLEという試験を受けるわけです。
たくさんある留学のかたち
一般の方々にとって
「あのお医者さん海外の留学からかえってこられたんだねえ」
「〜先生はアメリカ帰りだ」
とか言う場合には、この試験を全員受けているわけではありません。
なぜなら研究留学の場合には先程のお墨付きは必要ないからです。
そして研究留学の方が留学に行くこと自体のハードルはかなり低く、(行った先でどのようなことをするかと関係ないです!!)、また行った先での就職先の確保も手堅いので医師がアメリカ留学帰りという場合には
研究留学(USMLEいらない)
臨床留学(USMLEいる)
2パターンあることを知っておくといいでしょう。
今後の臨床留学の動向
2019年のUPDATEされている情報を追加しておくとすると今後 某私立医大のようにUSMLEの取得に関係なく日本の医学部入試・その後の教育がアメリカの医学教育と乖離しているとみなされてより臨床の留学ができにくくなる可能性がより高くなると予測されます。
アメリカの現在の政治事情からして今後より臨床留学のハードルが高くなっていくと思われます。
そんな中で、少しでもアメリカで医療行為をすることを目指して勉強している方の役に立つブログになればなと思っております。
至らないところが多いブログですがご指導していただけると幸いです。
マイナーな分野ですが精進していきますので今後共よろしくお願いいたします。
海外に興味ない人はUSMLEはいらないのか
これはとても重要なことですが、今後より多くの医師にとってUSMLEが重要になってくる可能性があります。
これについて医師個人個人の脱コモディティ化についての記事があるので参照してほしいのですが、簡単にいうと今の医師の就職方法ってなんだかんだ、医学生のうちにもっているスキルとは直接関係ないし、医師になってからの収入もあんまり関係ないんですよね。
でも今後、そのようなシステムが続く保証はどこにもないわけでアメリカという、産業的にすくなくとも今の日本よりは伸びしろの歩くにでも働けること・働けるだけの能力があることを証明できるっていうのは今後絶対に価値が出てくることだと思います。
アメリカ医師国家試験は日本の医師医学生でも受験できます。
でもそれをクリアしてアメリカで働いている人はほんの一握りです。
研究で留学というのは何十年も前からアカデミックな医師のキャリアとしてはかなりメジャーですが、臨床留学はいまいちでした。
ですが今後そのトレンドも徐々に変わっていくと思いますのでぜひ今後もいろいろなところにアンテナを伸ばしましょう!
今回の格言
3. “Try again, fail again. Fail better.”
—Samuel Beckett Referenced in “Extreme Aggressor” (Season 1, Episode 1)
爺医意訳=何度も挑戦して、失敗しなさい。してもいい。そして、うまく失敗できるようになりなさい。